【クッパ姫】いま何かと話題の任天堂×知的財産について。【株式会社マリカー】
こんにちは。karasunです。
今日は最近話題の任天堂に関するニュースを取上げたいと思います。
しかも,いずれも知的財産関連の問題です。
①クッパ姫について
概要
ま~最近はなんといってもこの話題ですよね。
軽く説明しますと,「クッパ姫」というのはスーパーマリオシリーズに登場する皆さんご存知のボスキャラ「クッパ」が,新作の「New スーパーマリオブラザーズUデラックス」に登場する新アイテム「スーパークラウン」を身に着けたという設定の二次創作キャラクターです。
ファンがTwitter上で投稿したクッパ姫のイラスト(→https://twitter.com/ayyk92/status/1042465252221181954)がバズって,他の絵師さん達も次々とイラストを投稿するクッパ姫祭りになったわけです。
ちなみに本来「スーパークラウン」というのは「キノピコ」というキャラが身に着けるとピーチ姫のような見た目の「キノピーチ」に変身できるアイテムなわけですね。
うーん,確かにこのアイテムは二次創作意欲が掻き立てられるアイテムです。
昔からTS(トランスセクシャル)は二次創作の鉄板。
まあその程度ならまだいいんですけど,これだけバズると余計なことする民が現れてくるわけですね。
問題1
まず正気を疑った残念だったのがJ-CASTニュース。
クッパ姫ブームについて書いた記事なのですが,まずタイトルが
です。
ふーん。……ん?任天堂「 」?
まさか任天堂が自発的に声明を発表するわけないよな。すると誰かが任天堂にコメントを求めたことになる。
おいおい,二次創作について公式に問い合わせるのは御法度ってそれ一番言われてるから。
誰だよそんなKY(激古)……。
→原文 全文表示 | 「クッパ姫」Twitterで大ブーム 非公式キャラ流行...任天堂「コメント控える」 : J-CASTニュース
お前かーい!
いやいや。「とのことだった。」じゃねーよ。なんでそんな満足げなんだよ。
私行動力あってすごいでしょ?的な?
意味が分かりません。そりゃあコメント控えますよ。逆に何かコメントしてくれると思ったのか,小一時間程問い詰めたい。
ファンの二次創作というのは程度にもよりますが,明示的に禁止していない限り,公式が黙認しているというのが現状です。
つまり,公式がある程度「使わせてあげている」状態なのです。
その公式の目の前にわざわざ二次創作を持ってって「ねえここに君のキャラクターをパクったイラストがあるよ。コイツをどう思う?」と聞いたって「すごく……可愛いと思います。」なんて言う訳ないでしょう。
むしろ,「そんなの知ってるよ!でも知らないふりしてるんだからほっといてくれ!」と思うのが普通ではないでしょうか。
問題2
続いての問題が
「任天堂に対して『クッパ姫』の公式キャラクター化を求める署名が集まっている」
ということ。
今度はハッキリ言います。
頭おかしいんか?
盗人猛々しいとはまさにこのこと。
任天堂としては独自にキャラクターの設計を練っているわけで,その中で様々な試行錯誤を経ているわけで,これに対してファンアートから始まったキャラクターを公式に「逆輸入」しろという提案は「余計なお世話」なんじゃないでしょうか。
実際,任天堂は既に「スーパーマリオ オデッセイ」の開発段階で「クッパ姫」に近い存在を考えついており,結果ボツ案となったもののそのイラストは公式設定資料集に掲載されているようです。
↓
元ネタの人が地味に可哀想
色々書きましたが筆者は二次創作自体肯定派です。
二次創作によって業界が活性化したり宣伝となる面もかなりあると思いますし,実際私自身も二次創作から知ったコンテンツがあったり,「こういう設定が本当にあればいいのにな」と妄想を掻き立てられることもしばしばです。
ただ,上に挙げたような「イナゴ」や「KY」の声が大きくなると,途端にコンテンツは腐っていきます。印象も悪くなります。
そうすると,「諸悪の根源」としてターゲットにされるのは誰か。それは最初にコンテンツを生み出した人である場合が多い気がします。
今回も最初にクッパ姫を描いたhaniwa (@ayyk92) | Twitterさんが叩かれないといいのですが。
ちなみに詳しい説明は割愛しますが,クッパ姫のデザインは著作権法上問題はないんじゃないかなと個人的には思います。
確かにコンセプトは明らかにマリオファミリーを参考にしていますが,実際の姿がクッパやピーチとはかけ離れたもので十分haniwaさんの個性に溢れたオリジナル作品といえるのではないでしょうか。
ただ,クッパ姫の周囲に描かれたマリオファミリーのイラストやセリフから「あ,これはクッパなんだな」と認識できるように,周囲の表現を考慮した結果としてキャラクターの盗用が認められるというケース?学説?もあるようです。
この辺自分の勉強不足で理解しきれていません……。
↓参考になる記事
余談ですがこのhaniwaさん,「バズり過ぎてちょっと怖い」的なことをツイートしています笑
https://twitter.com/ayyk92/status/1043855759904202752
てことで,クッパ姫周りがどーにも臭いぞ,というお話でした。
②株式会社マリカーについて
もうだいぶボリューミーになってしまいましたが,ささっと2つめいっていますか。
皆さんは「マリオカート」でマリオ達が乗っているようなカートを公道で走らせている人々を見たことがあるでしょうか?
そのようなカートのレンタルサービスをしている会社を相手取り,任天堂が知的財産権の侵害を訴えた裁判について,今月27日東京地裁にて判決が下されました。
その会社の名前は「株式会社マリカー」。
なんていうか…モロですね笑
内容については互いの主張や判決文がまだ明らかになっていない(多分)ので,イマイチわかりませんが,任天堂側としてはザックリ言うとカートレンタルの際に客に「マリオ」等の著名なキャラクターのコスチュームも一緒に貸し出したり,これを撮影した写真を無断で宣伝に使ったりしたことを問題視しているようです。
まあ当たり前ですよね。
そして,今回の判決では,任天堂勝訴。これにより株式会社マリカーの不正競争行為の差止と損害賠償金の支払が認められました。
余談ですが,任天堂は訴訟にめちゃくちゃ強く,不敗神話すら囁かれているというのは有名な話。
ポケモンのユンゲラーというキャラクターに対して,実在の超能力者(らしい)ユリ・ゲラーさんが訴えたとき,任天堂側の弁護士は「このキャラクターは超能力を使える。もしこれがあなた(ユリ・ゲラー)を真似したキャラクターだというのなら,あなたも今この場で超能力を見せて下さい。」と言ってスプーンを渡したなんていう都市伝説も残っています。
まあこれは根拠のないデマらしいですけどね。
筆者は都市伝説興味ないですが,この件に関してはわりと本当だったらいいなーと妄想しています笑
話を戻しますが裁判所が差止めを認めた「不正競争行為」というのは何を指すのでしょうか。公式の発表によれば,上記のような貸出行為の禁止等が判決文によって例示されているようです。
判決文で例示って私あんまり聞いたことないのですが,そういうこともあるんですね?
↓公式の発表はこちら。
こういうとき法律かじってるとめっちゃ面白いなーって思います。
それこそ不正競争行為って今回で言えばどれなんだろう?とか,マリオというキャラクターの著作物性とか,想像が膨らみます。判決文早く読みたい。
これ,なんかアニメの次回をwktkして全裸待機するポタクみたいですね?やっぱり自分法律合ってるのかも笑
おわりに
やっぱり自分はゲームが好きだし,知財も好きで,ゲーム×知財は大好物です。
どちらも勉強すればするほど深みにハマっていってまだまだ底が見えないですけど,頑張って研究していきたいです。
「パクリはダメ」で終わる問題じゃないから面白いんですよね。
企業(権利者)の利益とフリーライダー(利用者)の利益どちらも尊重せねばならず,絶対の正解がないというところが難しい問題であり,かつ,魅力でもあると思います。
こういう身近な話題からでも考えることは山ほどあります。
もっと情報のアンテナを広げていきたいですね。
今日は長くなってしまいました……。
それでは皆さんごきげんよう!